職場のハラスメント防止法を作ろう!集会アピール
2018/11/24
職場のハラスメント防止法を作ろう!集会アピール
職場のハラスメント(職場のいじめ・嫌がらせ)は、深刻な社会問題である。本日の集会でも、各当事者や団体の報告から、パワハラ、セクハラ、サービス業における顧客からのカスタマーハラスメントなど、職場におけるハラスメントの凄惨な実態が明らかとなった。
現在、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会では、職場のパワーハラスメント対策等についての議論が行われており、本年11月19日の審議会において、事務局案として、「女性の活躍の推進及びパワーハラスメント防止対策等の在り方について(取りまとめに向けた方向性)」が提示された。
この中で、事業主に対して職場のパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付けるとの方向性が示されたことは、一歩前進である。しかし、カスタマーハラスメント等の第三者からのハラスメントは除外され、セクハラに関する行為禁止規定の創設についても消極的な方向性にとどまるなど、その内容は全く不十分である。
本来、「職場のハラスメント」とは、セクハラ、マタハラ、パワハラといったカテゴリーに明確に分類しうるものではなく、例えばLGBTを理由とするハラスメントや顧客等の第三者からのハラスメントなど、多様な事案を含むものであり、それら全体を防止し、規制することが必要である。また、職場のハラスメントが許されない行為であることを社会的に明確に周知し、労働者が職場のハラスメントを受けることなく就業することが権利であることを明らかにするためには、独立の「職場のハラスメント防止法」の立法が必要である。その中には、雇用、就業形態に関係なく職場で働くすべての労働者が保護対象とした上で、事業主の措置義務規定に加え、事業主、上司、同僚はもちろん、取引先、顧客、患者などの第三者も対象としたハラスメント行為禁止規定、ハラスメントのない環境で働く労働者の権利を確認する規定を設けるべきである。
来年のILO総会では、極めて広範なハラスメントを対象とした「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する基準が「勧告に補完される条約」として採択される予定である。世界的にも仕事の世界における暴力とハラスメント禁止が大きな流れになりつつある今こそ、日本においても職場のハラスメントに対する規制立法に真摯に取り組むべきである。
私たちは、職場におけるあらゆるハラスメントの根絶に取り組むことを宣言するとともに、職場のハラスメント防止法の早期立法を強く求める。
2018年11月22日 集会参加者一同