「働き方改革」一括法案の問題点を考える院内集会声明
2018/3/16
2018年3月16日(金)、衆議院第一議員会館にて開催しました『「働き方改革」一括法案の問題点を考える』院内集会には約200名もの方々にご参集いただきました(当日の動画をアップしました→コチラ)。ご発言下さいました関係者、国会議員の皆さま、そして参加者の皆さま、ありがとうございました。集会声明を下記に掲載します。どうぞご覧下さい。
【20180316院内集会声明】(PDF)
「高プロ導入」と「裁量労働制拡大」を断念せよ!
2018年3月16日
日本労働弁護団
政府は3月1日、働き方改革関連法案から裁量労働制の対象拡大を削除することを表明し今国会での提出は断念したが、新たな実態調査を行った上で労働政策審議会での審議をやり直し、来年以降に再提出するとしている。
しかし、裁量労働制は一日何時間働いても「みなし労働時間制」であり、労働時間の把握と記録をしないだけでなく、業務量と納期を自由に指示できるため、長時間労働に対する歯止めがなく、「定額(賃金)で働かせ放題」となる恐れがある。2014年のJILPTの調査でも、裁量労働制の労働者は一般の労働者よりも長時間労働の割合が高いという結果になっている。裁量労働制の本質は、労働時間規制の緩和であり、長時間労働を助長して、労働者の命と健康を阻害しかねないものである。
さらに、今回の法案にある「高度プロフェッショナル制度」も、野党から“スーパー裁量労働制”と批判されるように、裁量労働制以上に長時間労働を助長するものである。政府は、「高プロ」のことを「働いた時間ではなく成果で評価する制度へ働き方を変える改正」だと説明しているが、全くの誤りである。「高プロ」の本質は、対象労働者に労基法の労働時間規制を適用しない(適用除外・エグゼンプション)という危険極まりないものであり、際限のない長時間労働を強いることができるものである。同制度が「過労死促進法」「残業代ゼロ法案」と批判されるゆえんである。
これら2つの制度の本質は“労働時間規制の緩和”であり、政府が同じ法案で目指している労働時間の上限規制による長時間労働の是正とは本質的に矛盾するものである。私たちは、政府に対し、裁量労働制の対象業務拡大と高度プロフェッショナル制度の導入を完全に断念することを強く求める。
野党各党には、政府の法案に対して、一日の休息時間を含む生活時間を確保するためのインターバル制度の導入や過労死労災認定レベルではない労働時間の上限規制など長時間労働を根絶することのできる法案を共同して国会に提出することを強く期待する。
以上
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