北海道ブロック総会での意見表明
2017/7/21
日本労働弁護団の活動は勿論東京だけではありません。全国各地でも活発に活動しています。機会があればこのサイト上にて、各地域の活動紹介をしていきたいと思いますので、皆さま宜しくお願いします。
7月19日(水)に、日本労働弁護団北海道ブロック総会を開催しました。道内の数多くの労働事件の報告とともに、労基法改悪に強く反対し問題点を広く訴えていく意見表明が承認されました。ここに掲載しますので、どうぞご一読ください。
「高度プロフェッショナル制度」の創設、「企画業務型裁量労働制」の対象拡大を含む労働基準法改正に
改めて強く反対することを表明し、その廃案のために全力をあげる
2017年7月19日
日本労働弁護団北海道ブロック2017年定期総会
新聞報道などによると、労働基準法等の一部を改正する法律案(2015年4月3日、閣議決定の上、通常国会に提出されている。以下「労基法改正法案」という。)が今秋の臨時国会で成立させられる可能性が高まっている。
労基法改正法案は、「高度プロフェッショナル制度」の創設や「企画業務型裁量労働制」の対象業務の拡大を目的とするものである。
前者は、一定以上の収入のある労働者について、労働基準法の労働時間に関する規制の適用外におくもの、後者は、実際の労働時間にかかわらず、みなし労働時間を適用するものであり、いずれも、働き方改革、規制緩和の名の下で、労基法の労働時間規制を実質的に外す制度であって、長時間労働・過重労働を助長し、ひいては、過労死等を誘引するものである。
前者の対象となる労働者の範囲は、省令で定めることとされているため、一度制度が作られてしまうと対象労働者が何処までも拡大されて、歯止めがきかなくなる危険をはらんでおり、現在対象とされている労働者のみならず、すべての労働者の問題となりうるものである。後者についても、多くの業務が内包されうる内容であり、多数の労働者が労働時間規制の適用除外になりかねない。
過労死、過労目死を防ごうとする長年の壮絶な取り組みにより、2014年6月、過労死等防止対策推進法を制定させたが、過労死・過労目死の根絶は、国家的な喫緊の課題であり、政府には、長時間労働・過重労働の厳しい規制こそ求められている。ところが、この労基法改正法案は、過労死等を誘引・増大させるもので、過労死等防止対策推進法の目的に逆行するものといわなければならない。
日本労働弁護団北海道ブロックは、これまで、労働者派遣法改悪反対し、非正規労働の解消のために取り組むなど、労働者のみなさんの権利を実現する活動をサポートすべく、取り組んできたが、労基法改正法案についても危険性、問題点を広く伝え、廃案に向けて精力的に行動していくことをここに表明する。
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