そごう・西武労組のストライキを支持する幹事長談話

2023/8/31

本日(2023年8月31日)、百貨店のそごう・西武労働組合が親会社の売却方針に反発し、ストライキを実施しました。大手百貨店では実に約60年ぶりのストライキです。

この件に関し、日本労働弁護団の幹事長談話をここに掲載しましたので是非ご覧下さい。

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そごう・西武労組のストライキを支持する幹事長談話

2023年8月31日
日本労働弁護団幹事長 佐々木亮

そごう・西武労働組合が本日、西武池袋本店においてストライキを実施している。

報道によれば、そごう・西武労働組合がストライキを実施するに至った背景として、事業売却に伴う十分な情報開示がなされず、ひいては組合員の雇用維持も不透明であることがあるという。

組合員の生活の糧の源泉である雇用そのものを巡るストライキであること、本年7月25日に実に93.9%の組合員の賛同を得てスト権が確立された上で実施されたストライキであることは、会社側に重く受け止められるべきである。

言うまでもなく、ストライキを含む団体行動権は、日本国憲法28条で保障された労働者の権利である。本日実施されるストライキは、法的な面から、全面的に支持されなければならない。

ところで、市民生活を阻害するものであるなどとして、ストライキの実施に反発する風潮もあるが、市民が享受する利益の多くが、労働者の勤労により支えられていることに思いを至らせるべきである。私たちの生活が多くの労働者の勤労に支えられていることに照らせば、労働者の労働条件の低下や地位の不安定化は、けっして他人事ではない。ストライキには、雇用の確保や労働条件の向上、質の高い市民生活の確保と切り離せない側面があることを、私たちは十分理解すべきである。

日本労働弁護団は、労働者、労働組合の権利を擁護する団体として、そごう・西武労働組合が本日実施するストライキを支持するとともに、市民社会において、企業に対する最大のステークホルダーである労働者が「声を上げる」ことに対して寛容であることを望むものである。

以上