季刊紙 労働者の権利： 235号（7月発行）

２３５号（２０００年７月発行）

巻頭言
労働裁判の改革にむけて　塚原英治

追悼
故　伊藤公弁護士をしのんで　花田啓一

特集１ 過労自殺の企業責任・労災補償
　電通過労自殺事件最高裁判決の意義　～日本の人権裁判史・労働裁判史に残る歴史的判決　川人　博
　電通過労自殺事件上告趣意書　藤本　正
　働き盛りの過労自殺と企業責任・労災補償　～川崎製鉄渡辺過労自殺事件　清水善朗

特集２　東京地裁労働部の整理解雇要件緩和・変更判決・決定批判
　東洋印刷解雇事件東京地裁決定　～はじめに「結論ありき」の決定　長谷川直彦
　日本ヒルトン「雇止め」事件東京地裁決定　～「常用的日雇い労働者」への強力な援軍　佐藤仁志
　角川書店文化振興財団東京地裁決定　～法人格の形骸化を無視した形式的な判断　君和田伸仁
　明治書院解雇事件東京地裁決定　～社会的常識からかけ離れた仮処分決定の判断　井上幸夫
　ナショナル・ウェストミンスター銀行解雇事件東京地裁決定　～二度の仮処分認容決定後の突然の却下決定 君和田伸仁
　東京魚商業協同組合葛西・淀橋支部解雇事件東京地裁決定　～団体交渉を中心とする組合活動への無知、偏見　水野英樹
　廣川書店解雇事件東京地裁決定　～解雇自由論への道筋を敷く決定　森本宏一郎
　カンタス航空解雇事件東京地裁決定　～『当事者の主張』無視、『労働関係上の信義則』軽視の法思想　古川景一
１２回労働法講座　改正労働者派遣法の内容と課題 中野麻美

権利闘争の焦点
　会社を批判する出版物へ寄稿したことを理由とする懲戒処分を無効とした事例　～三和銀行事件大阪地裁判決　城塚健之
　子会社が休業を理由に行った解雇が親会社が法人格を濫用したもので無効であるとして親会社との間に雇用関係を認めた事例　～藤川運輸倉庫事件東京地裁判決　野澤裕昭
　無効の三六協定による超過勤務命令の拒否を理由とする分限免職処分を取り消した事例　～人事院判定　前田裕司
　時事通信社記者過労死事件労災認定　～東京中央労働基準監督署　境　克彦
欧米におけるけいわん・腰痛をめぐる最新動向　～予防のための人間工学基準作成へ　古谷杉郎
随想　地方の時代　労働弁護士の雑感～岡山から　則武　透

書評　『ユニオン・バスター』評・宮里邦雄
　　　『日本人の賃金』評・堀　浩介

資料　日本労働弁護団
　　　会社分割法制に関する見解及び留意事項（２０００．６．１）
　　　雇用保険給付日数に関わる特定受給資格者の認定についての意見（２０００．７．４）