地方分権改革推進委員会「第2次勧告」についての意見

2009/3/4

地方分権改革推進委員会「第2次勧告」についての意見

2009年3月4日
内閣府特命担当大臣(地方分権改革)
鳩山 邦夫 殿
厚生労働大臣
舛添 要一 殿
日本労働弁護団
幹事長 小島 周一

1. はじめに

 地方分権改革推進法に基づき内閣府に設置された地方分権改革推進委員会(委員長丹羽宇一郎・伊藤忠商事株式会社取締役会長)は、2008年12月8日、「第2次勧告~『地方政府』の確立に向けた地方の役割と自主性の拡大~」を内閣総理大臣に提出した。
 同委員会は、この「第2次勧告」のうち、厚生労働省関係の出先機関の見直しについて、国と地方が連携するもの(個別労働関係紛争解決制度、雇用保険の窓口業務)、民間委託の拡大を進めるもの(賃金構造基本統計調査)、地方自治体が行う事業について国に準ずると位置づけるもの(無料職業紹介事業)に分けて事務・権限の見直しをするとともに、都道府県労働局を地方厚生局と統合してブロック機関に集約し、労働基準監督署及び公共職業安定所(ハローワーク)をブロック機関の下に置く、将来的に国のハローワークの漸次縮小をはかるとし、また、中央労働委員会地方出張所を廃止することを勧告している。
 折しも、アメリカに端を発した金融不安による世界同時不況を口実に、「派遣切り」、「非正規切り」に代表される労働者に対する雇い止めや解雇、採用内定取消が横行している。これを受け、日本労働弁護団(会員数約1500名)は、わが国のすべての労働者・労働組合の権利確立に寄与する弁護士の団体として、2008年11月15日に「金融危機に便乗した安易な雇い止め、解雇、内定取り消しや労働条件切り下げを許さない緊急アピール」を採択し、同月21日に「いすゞ自動車の非正規労働者全員解雇(契約打ち切り)に抗議する」声明を発した。*1
 このような雇用状況の中で、国と地方自治体は連携して