個人請負・業務委託の方が被害に遭った場合の会社の責任  私は、個人請負としてある企業で働いています。勤務先の役員から休日に呼び出されたため、緊急の案件だと思い、出社しました。ところが、飲食に付き合わされたうえ、抱きつかれたり、無理やりキスされました。勤務先の人事部に苦情を言ったのですが、あなたとは直接雇用関係にあるわけではない、また、職務とは関係のないプライベートな問題であるから、会社は責任を負わないと言われてしまいました。私は会社に何も請求できないのでしょうか。

2016/10/9

まず、形式的に個人請負や業務委託の契約になっていたとしても、就労実態によっては、就労先と直接雇用関係が認められることがあります。仮に、直接の雇用関係がなくても加害者と被害者との間に上下関係・支配関係が強い場合は、セクハラが勤務時間内や職場内でなかったとしても、その地位を利用・濫用したものとして、会社の使用者責任(民法715条)が認められる場合があります。また、会社は、直接の雇用関係がなくても、特別の社会的接触関係に入った当事者との間では、信義則上、「職場環境安全配慮義務」を負う場合があります。したがって、請負労働者など、事業主が直接雇用する労働者ではなくても、会社に対して損害賠償を請求できる場合があります。